新宿メロドラマ

安っぽいヒューマニズムは要らない。高いのを持ってこい。

誰もわいの英語を聞いてない件。

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おう、わいや。

元気にしとったか?

いや、答えんでええよ。訊いてないから。これ挨拶な。

今日はちょっとそういう話をしたくて久しぶりに寄ってみたんや。

口調は金融安定理事会のマーク・カーニーのを借りてるで。

知っとるか?

世界の金融エリートのなかでもずば抜けて流暢な関西弁で知られてるんやわ。よろしゅうな。

今年のはじめにわいが何を目標にしたか知っとるか?

「今年のはじめには、あなたは他人でした」

まぁそういう人もおるやろ。今年もええ出会いにようさん恵まれたからな。ありがたいこっちゃ。

また暑苦しい感謝のブログでも書くから今日のところはこれで収めといてな。

それはさておきわいが目標にしとったんはこういうことやねん。

 「地に足のついた生活をする」

笑かすやろ。結果人生でいちばん地面離れとったんが今年やわ。

 iTrotterなくなったからもう測ってないけど15万キロぐらい飛んだんとちゃうか。

月までの距離が38万キロやから、もうちょいで半分やったな。

しかしサーバの利用期限切れでサービス終了って頓死もええとこやな。スタートアップの最後はむしろこうありたいね。

「あ、いまのプロジェクト忙しかったんで更新通知気付いてなかったです・・・ま、あれもういいですよね」っていう。

前へ前へと掴み取るこの揺らぎ

記憶の断片小説 ロードムービー

(あしながのサルヴァドール/EGO-WRAPPIN')

それがベンチャー企業の日々よ。

ごめん、適当。

 

そんであちこち飛び回ってたまに誰かに会うやろ。

「最近どんな感じですか?」「いろんなとこ行ってますよねぇ?」云われるわ。

これ質問ちゃうからな。

そもそもみんなFacebook見て知ってるから、全部。

わいも最初はまじめに答えよ思とったんやけどな、返事考えてるうちに相手もう他の話はじめとったわ。

「いや僕も最近ちょっとねぇ~」

ってそれ、おまえの話やんけ。

これ似とんねんな、英語のアレ。

 

レジ打ち:“Hi, how are you?”

アメカス:“How are you?”

 

なんやねん、それ。

訊かれとんねんから答えんかいと思いきや、結局どっちがどれぐらい調子ええんかもわからんうちに勘定終わってさようならやん。

これ分かるまではスーパーで牛乳買うだけでも相当緊張したもんや。

 

レジ打ち:“Hi, how are you doing?”

わい:“I’m fine, thank you. And you?”

 

こんなん云うてんの全米でわいだけやん。なんやねん、アンドユー?って。

あのNew Horizonっていったいなんだったの?マイク・デービス、ネイティブじゃなかったんか?

教科書もそうやけどな、ドヤ顔で舌巻いて生徒に云わしとった先生も絶対海外行ってないやろ、あんなん。

ステーキのつづり間違えて教えたくせに中間テストでバツつけた木村、絶対ゆるさん。

 

電話:サチコさんとお話しできますか?

サチコ:This is she.(わたしです)

 

俺がこれ書いたら公衆の面前で「ハハハ、うまいこと云いましたね、でもこうは云いません」て、おまえ「レオン」観てないんか、って。

学校から電話かかってきたときマチルダが母親を騙って “This is she.” 云うとったやないか。

ちょっと熱くなってしもたわ。

木村先生が悪いわけじゃないわな。

当時の森喜朗首相が来日したビル・クリントンと挨拶すんのに必死で英会話おぼえていったらクリントンが、

 

クリントン:Pleasure to meet you, Prime Minister Mori. I am Hilary’s husband.

      (お目にかかれて嬉しいです、森総理。わたしはヒラリーの夫です)

 

ってギャグかましよったんやわ。おもろいやろ。

そしたら森が、

 

森:Me too.(わたしもです)

 

云うて笑われたっちゅう話があったけど、これもほんまかどうかは別にええねん。

森が悪く云われるのは有名税

ただしこれは森じゃなくて日本人全員が笑われているというエスニック・ジョークやからな。

そういう哀しいやつらやっちゅうことや。わいらは。

 

あとついでに云うと片山右京っていう登山家がむかし運転手しとったときに記者会見があったんやけど、「好みの女性のタイプは?」みたいなことを質問されて、隣の運転手が「俺のタイプはいまのカミさんだね、愛してるよ」って云ったら、

 

片山右京:Me too.(わたしもです)

 

云うて、これも爆笑。んで、これは実話。本人がNHKの「トップランナー」で云うてんの観たことあるから。

「なんでお前が俺のカミさん愛してんねん!」みたいな話で、笑いをとってるっていうよりは笑われてるんで、これは恥ずかしい話なんですよねって蚊の鳴くような声で云うとったわ。お前Vなんぼやねんっていうか細い声で。

仮にも世界で活躍する男がこんな辱めに遭うとは、ほんま難儀なこっちゃで。

 

ところで話は変わるけど、世の中ほんまにキナ臭いというレベルを超えてバタバタ人が死ぬようになってしもたな。

みんないろいろ思うところがあると思うけど、ちょっとこれを聞いてみて欲しいんやわ。

たとえば、たとえばの話。

このシャーロット王女がもう少し大きくなった頃、ロンドンでテロが起きて彼女がそれに巻き込まれるとする。

それをたまたまトランジットで1泊してたわいが、その幼女をそうとは知らずに救い出すとするやんか。

そらもう大騒ぎでナイトぐらいは堅いし、下手したら日英関係まで盛り上がるぐらいの大金星、わい。

自らも手傷を負ったわいが病院のまえで記者の質問を受けるときに、絶対出る質問がこれ。

 

「このようなテロが連続する状況について、どのように思われますか?」

 

これに対してどう答えるべきかということを、この数日ずっと考えとったんよ。

さっき考えがまとまったんで、今日はそれを聞いてもらって終わりにするわ。

 

I have to ask you to allow me not to share my personal thoughts or feelings here with you.

(わたしの個人的な考えや思いをお伝えすることはできないことをご理解いただきたいと思います)

 

I am just somebody who was in the right place, right time and who is not superior to any one of you.

(わたしはたまたまそこにいて、正しいことをしただけで、あなた方となんらかわりのない人間に過ぎないからです)

 

In this evening when a terrible incident has just happened and when people all over the world are suffering from fear,

 (今夜起きた恐ろしい事件に世界中のひとが怖れをなしていることでしょう)

 

I do not think that I have liberty to take advantage of it to express my personal emotions. 

(そのようななか、この場で自分の個人的な感情を口にするのが正しいことだとわたしには思われないのです)

 

Thank you.

(会見は以上です)

 

話すことと聞いてもらえることとは別問題。

同じように、話す機会があることと、話していいということとは別問題だってこと。

 

ほな今年も残りわずか。死なないように気ぃつけてや。

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